我が家の庭のブロック塀に今年も四十雀が巣をかけた。幅10センチほどの塀の上部に6~7センチほどの丸い穴が開き、筒状に下へ落ち込み、20センチほど下に平らな空間が横に続いているらしい。四十雀としては格好の隠れ家であり、巣穴であろう。
4月の初め、つがいの四十雀がしきりと巣になりそうな枯れ草などを運び、やがて巣篭もり、卵を生みつけたようだ。四月の下旬になると、チチとかすかな鳴き声が聞こえ、二羽の親鳥がしきりと餌を運ぶようになった。5月の初めになると、雛鳥の鳴き声は一段と大きくなり、親鳥が餌を運んでくるたびにチイチイと大声で啼く。親鳥も巣穴へ入る前にはあたりを警戒し、からす、猫などが近づこうものならキキとけたたましく啼く。天敵がいる間は、あたりを飛び回り、決して巣穴に入ろうとしない。私も気が気でなく、手を叩いたりして追い払うことしばしばである。この頃天敵除けに、市販の猫を避ける釘状のプラスチック器具や、とげの付いた薔薇の茎を切り、太い束に束ねて、巣穴近くを覆ってやる。不思議と薔薇の茎の束やプラスチックの器具には、巣穴近くの形状が変わっても、四十雀は警戒を示さない。
5月の連休に入ると、雛たちの鳴き声は一層大きさを増し、親鳥の餌さを運ぶ頻度が増す。毛虫やチョウの幼虫のような餌さをくわえ、あたりを警戒しながら、かわるがわる餌さを運ぶ。巣から出る時には必ず白いものを口にくわえている。フンを外に運び、巣の中を清潔に保っているのだ。この頃、親鳥の餌さ運びは絶頂に達し、その姿は少しやせ細ったようだ。2羽で四・五分置きに餌さを運ぶが、餌を探すのも容易でないのかも知れない。
さて、餌さ運びも絶頂期となり、巣穴の中の雛の鳴き声もますますかん高くなった薄曇りの夕方、親鳥が巣の周りをけたたましく啼きながら飛び回った。いよいよ巣立ちの時が来たのだ。今年は6羽ほどが巣立った。5月13日のことである。(2羽は先に飛び立った。)
